書籍編集者・プロデューサーの渡邉理香です。
本を出したい!と思う人から寄せられる相談の1位が以下です。
私がお伝えすることは、
「出したい本のジャンルと内容を、まず決めていきましょう」
です。
これを決めるために必要なこととして
1)本屋へいく
2)メンターとなる本を見つける
です。
まず1)。
皆さん普段本屋さんへは「何気なく」行っているかと思いますが、本を出したい人は何気なく…ではなくて「市場調査」の姿勢で足を運んでほしいです。
街の小さな書店でももちろんいいのですが、大型書店(の本店クラス)へ行かれることもおススメします。
多くのジャンルの本がありますので、市場調査しやすいです。
そこで自分が出したい本のジャンルが販売棚としてあるか、をまず探して欲しいです。
販売棚としてあれば、あなたの考えている企画は少なくとも「市場性がある」と認識してよいでしょう。
もし無い(あるいは少ない)場合は、本当にその考えで正しいのかを疑う必要がありますね…
次に2)。
本を出したいと思っている人は、大半が「過去にインスパイアされた本や著者」があります。
自分で気づいていないことも多いですが。
「この人みたいな本を出したい」
「この本のような内容が出したいものと近いかな」
「この著者のような執筆活動を行いたい」
こうした経験があるから「本を出したい」という意識につながっていることが多数。
いわゆる
メンター
がすでに存在しているということです。
よって「目指すべき本」「目指すべき著者」というものを自分の中で改めて探してみて、見つけておきましょう。
それが、自分が出したいジャンルと内容をクリアにしてくれますし、編集者にプレゼンを行ったり企画書を書くときにも大いに役だちます。
なお、気をつけてほしいことは、
3)仕事や人生の経験や実績から出したい本を考える
です。
マーケティングの専門家がいきなりメイクに興味があるから!といって「メイク術」の本を出したいと言われても出せません。
メイクの業界で実績を積んでいれば別ですが、メイクの専門家でもないのに、メイクの本を出しても読者が信頼して買ってくれますか?
この場合は、本業でかつ得意分野でお客様もついてる「マーケティング」というジャンルで勝負したほうがよいでしょう。
その道の専門家だからこそ、本が書けるし出せるのです。
関連して、得意分野かつ情熱を傾けて語れる・知識も豊富!ということも大事。
いま売れているからといって、心理学が専門でも情熱を傾けられるジャンルでもないのに「アドラーの本」を書こうとしたって、説得力が足らない内容になることが多いです。
でも、アドラーオタクで、その「好き」や「得意」がこうじてツィッターでつぶやいてたらフォロワーが3万人くらいいて、セミナーやっちゃってお客様がたくさん聴きにきてくれる!すごく評判がいい!というのであれば話は別です。
すなわち「自分の魂の声にふたをして、市場を優先した出版企画をつくってもいけない」なのです。
そういう企画、編集者はすぐに見破ります。
だって「自分の言葉で語れてない」のですから。
やはり「専門性」と「これなら情熱を傾けて語れる!伝えられる!」というゾーンの中で出したいジャンルと内容を決めましょう。
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