出版の基本

商業出版・自費出版の違いについて

ビジネス・実用書出版コンサルタント+編集者+プロデューサーの渡邉理香です。

 

「本を出したい」と考えたとき、真っ先にぶつかるのが「商業出版と自費出版、結局どっちがいいの?」という壁ではないでしょうか。

 

SNSで見かける「自費出版は意味がない」という極端な意見や、逆に出版社からの「共同出版(という名の自費的出版)のお誘い」に、戸惑ったことがある方も多いのではないでしょうか。

 

今回は、元大手出版社の編集者だった経験を通しての視点、そしてSNS上で見かけたある経営コンサルタントの方がおっしゃっていた「会計的な視点」を交えつつ、この2つの違いを徹底的に解剖します。

 

これから「本をビジネスの武器にしたい」と考えている経営者や個人事業主のあなたは、ぜひ最後まで読んでみてください。

結論から言うと、あなたの「目的」によって、選ぶべき道は180度変わります。

1. そもそも何が違う? 商業出版と自費出版の「決定的な差」

まずは、基本をおさらいしましょう。この2つの違いは、一言でいえば「誰がリスク(お金)を負い、誰が責任を持つか」です。

 

 

商業出版:出版社が投資する「ビジネス」

出版社が制作費(300万〜500万円程度)を全額負担します。出版社は「この本は売れる!」「世の中に出す価値がある!」と判断したからこそ、投資するわけです。

  • 著者の負担: 原則0円(むしろ印税がもらえる)

  • 流通: 全国の書店、Amazon、図書館など「公の場」すべて

基本的に「出版社が出したい本を出す!」が前提です。
「あなたの本を出版しますよ」というサービスではいっさい「無い」ことを前提として、押さえておいてください。

 

世の商業出版物は、その意味でも「著者の意向」以上に「出版社が出したい本」が前提となっています。
「出版社の商品化意図」と「著者のコンテンツ」の利害が一致してこそ、叶えられる出版形態です。

 

その意味でも、商業出版って決して「著者の思い通りの本を書ける・出せる」わけでは無いことをあらかじめよく理解いただきたいと思います。

 

 

自費出版:著者が費用を払う「自己表現・記念」

著者が制作〜流通/広告関連費(100万〜1000万円以上)を支払います。自分の好きな内容を書くことができ、好きなデザインで形にできます。

  • 著者の負担: 100万円〜高級外車1台分ほども(!)

  • 流通: 基本的にはなし。届く範囲は、親戚・社員・コミュニティ内の人、知人のみ

2. 経営コンサル視点で読み解く「PLの費用」と「BSの資産」

 

ここで、興味深い視点をご紹介します。ある経営コンサルタントの方は、この違いを「会計」に例えて以下のように表現しました。

 

自費出版は「PL(損益計算書)上の費用」 商業出版は「BS(貸借対照表)上の資産」

 

これ、本当にお見事な例えだなあ!と思いました。

自費出版は「使い切り」の広告費

自費出版にお金を払うのは、接待交際費や消耗品費に近い感覚といってもいいのでしょう。
その瞬間は「本を出した」という満足感や、配った相手への義理は果たせますが、翌年にはその価値は消えてしまいます。つまり、「その場で使って終わる支出」です。

商業出版は「積み上がる」無形資産

一方で商業出版は、本を出した瞬間に「出版社が認めた専門家」という強固な社会的信用(クレジットやメディアPR効果)が手に入ります。


この信用は、時間が経っても減価償却されるどころか、重版がかかったり、メディア露出が増えたりすることで、どんどん価値が膨らんでいきます。

まさに、「将来にわたって利益を生み続ける投資」とも言えるのです。

 

 

3. 「自費出版はビジネスに効かない」と言い切れる理由

「自費出版でも、書店に並べてくれるプランがあるよ」という文句に惑わされがちな人がいます。

 

でも本来、自費出版の本が書店の棚に並ぶことは、ありません。
上記でもお伝えしたように、原則「書店流通をしない」形態なので。
流通をしないということは、「本にバーコードがつかない」のです。

一般的な書店やネット書店で気軽に購買できるためには、書籍流通用のバーコードが付く必要があります。
これは、世界共通の書籍を特定する「国際標準図書番号」であり、ISBNコード、Cコード(分類)、本体価格が含まれて、書籍の表紙カバーの裏面に付帯されます。
個人レベルで付帯させることもできますが、手間や費用、手続きの面倒さなどが大いにかかってきますので、基本は出版社経由で本を出す方が有効ではあります。

自費出版でもISBNコードが付帯されて、本屋さんに並んでいる・・・というケースもよく見聞きするのではないかと思いますが、あれは「共同出版」「協力出版」という扱いになり、そういったことを特別に斡旋・サービス化している「出版サービス会社」が請け負っています。

そういった出版サービス会社経由で、書店に仮に並んだとしても、それは「自費出版コーナー」という、ごく限られたエリアになりやすい。
そして初版部数も500部程度という、非常にミニマルな出版になりやすいので、新規のお客さんが買いに来る確率は、宝くじを当てる・・・に近いイメージ。

要は一般的な視点に立てば、自費出版というのは、

 

「世の中に知られにくい」

という一言に尽きます。

 

ビジネスにおいて本を出す最大の目的は「信頼獲得」や「認知の拡大」「権威性」そこからひもつく「新規客との出会い」ですよね?

自費出版では、すでにあなたを知っている身近な人にしか本が届きません。

これでは、ビジネスのブースターにはなりづらいこと明白です。

4. 商業本か自費出版の営業か見極める!出版社への「2つの禁断の質問」

もし、出版社から「あなたのSNSを見て連絡しました。本を出しませんか?」と声がかかったら、まずは落ち着いてください。
それが「商業出版(投資)」なのか「自費出版(営業)」なのかを見極めるには、以下の2つをぶつけるだけでOKです。

  1. 「制作にあたって、私が支払う分はありますか?」

  2. 「著者印税は何%支払われますか?」

ここで「販売協力金(あるいは制作費の一部)として〇万円必要です」とか「印税は売れた分から相殺します」といった、回答があればきたら、それは自費出版(または共同出版という名の自己負担モデル)の可能性が高いです。

ただ明確に申し上げておきますが、自費出版や共同出版などがが悪いわけではありません。「親へのプレゼントに」
「社史を形にしたい」
「自分のメソッドやノウハウをテキスト化しておきたい」
「マニュアルを作って頒布したい」
「出版社の意図以上に、自分の思いを大切にしながらビジネスブランディングを打ち立てる本を」
・・・といった明確な「目的」があるなら、自費的な出版は最高の選択肢にもなりえます。

しかしあなたが「ビジネスを加速させたい」「よりステージアップを目指したい」「もっと世の中に顔と名前とコンテンツを売っていきたい・知られたい」と願うなら、「商業出版」が最良の選択肢になります。

 

 

5. あなたの志を「資産」に変えていこう

私は、本を出すことを「単なる印刷物の作成」だとは思っていません。
それは、あなたのこれまでの経験、スキル、メソッド、想いを結晶化させ、社会から信頼される「ブランド」を構築する神聖なプロセスだと思っています。

ただ商業出版は、安易に簡単に誰でも出せる!という出版形態でもありません。

率直にいうと、ハードルが高い領域の事業です。出版社という厳しいプロの目に認められなければなりません。

でも、だからこそ、出版された瞬間にあなたの立場は「その他大勢から一歩抜きん出た専門家」へと一気に跳ね上がるのです。

  • 講演依頼が舞い込む

  • マスコミから取材が来る

  • 高単価な成約がスムーズに決まる

これらはすべて、商業出版が「BS(資産)」として機能している証拠でもありますね。

「高価な記念品」を作るのか、それとも「プラチナクラスの資産」を築くのか。

もしあなたが「自分の経験を世の中のために役立てたい」「ビジネスを次のステージへ引き上げたい」と本気で願うなら、私たちはその「資産作り」のパートナーとして、全力で伴走します。

せっかく言葉を紡ぐなら、世の中を動かす1冊を目指しませんか?

自分のアイデアが商業出版として通用するのか、客観的なアドバイスが欲しい方は、ぜひ一度「出版相談」へお越しください。あなたの志を、確かな価値に変える方法を一緒に考えることができます。

 

「出版プロデュースやコンサルティング」に関することについても「出版相談」にてお話を伺った上で、ご提案を差し上げておりますので、ご興味あればまず出版相談にご参加ください(お話させていただくだけで、コンサルのご案内を行わない場合もあるので、お気軽にご参加ください)。

 

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