ビジネス・実用書出版コンサルタント+編集者+プロデューサーの渡邉理香です。
「渾身の企画書を書いたのに、出版社から返信が来ない……」
「自分の実績は十分なはずなのに、なぜ形にならないんだろう?」
商業出版を目指して企画書を書き始めたものの、高い壁にぶつかっているビジネスパーソンは少なくありません。実は、編集者の元に届く企画書の9割は、読まれる前に「ボツ」の判断をされているケースがほとんどです。
著者の熱意が足りないからではありません。
むしろ、「出版業界のルール」を良かれと思って誤解してしまっていることに原因があります。
今回は、数多くの出版企画書を見てきた編集者が思わずスルーしてしまう、不採用企画に共通する「3つの大きな誤解」についてお話しします。
誤解1:「自分の書きたいこと」を凝縮すれば伝わる
最も多い誤解は、**「企画書=自分の想いをぶつける場所」**だと思ってしまうことです。
「私のこれまでの苦労を伝えたい」「この素晴らしい理論を世に広めたい」という熱意は大切ですが、出版社が求めているのは「著者の情熱」そのものではなく、「その本が市場(読者)にどう役立つか」という客観的な価値です。
>編集者が最初に見るのは「誰の、どんな悩みを解決するか」である
編集者が出版企画書を開いたとき、真っ先に探すのは「ベネフィット(利益)」です。
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ターゲットが明確か?(例:30代の働きすぎて疲れた独身女性)
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読んだ後に、読者の生活はどう変わるのか?(例:1日5分で自律神経が整い、朝スッキリ起きられるようになる)
「書きたいこと」からスタートした企画は、どうしても自分語りが強くなり、独りよがりな印象を与えます。まずは「読者が今、何に困っていて、自分はどう助けられるか」というマーケットインの視点に切り替えましょう。
誤解2:「情報の網羅性」が高いほど価値がある
「この1冊で、私のメソッドをすべて網羅しました!」
「初心者のための入門書から、プロ向けの応用までカバーしています!」
一見、サービス精神旺盛で良い企画に思えますが、実は不採用になりやすい典型例です。
今の出版市場において、「なんでも載っている本」は「誰にも刺さらない本」と同義だからです。
>企画を「研ぐ」作業は必要です
現代の読者は、自分にピンポイントで効く解決策を探しています。
「ダイエットの百科事典」よりも、「40代からの、お腹の脂肪だけに効く宅トレ」の方が、圧倒的に手に取りやすいのです。
企画書で示すべきは、情報の量ではなく「切り口(コンセプト)」の鋭さです。
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他者の類似本と何が違うのか?
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あえて「書かないこと」は何か?
ここが明確でない企画は、「ネットで検索すれば出てくる内容だ」と判断されてしまいます。情報を詰め込むのではなく、あえて削ぎ落とし、一つのテーマを深掘りする勇気を持ってください。
誤解3:「実績」さえあれば、企画は通るはずだ!
「私はSNSのフォロワーが1万人いるから」
「誰もが知る企業で実績を出したから」
もちろん、著者のプロフィールや実績は強力な武器になります。
しかし、「実績がある=本が売れる」とは限りません。
編集者が恐れているのは、「むしろ著者の実績が凄すぎて、読者が再現できないこと」です。
>「再現性」という名の橋を架けよう
「私だからできたこと」を自慢する本は売れません。
読者が求めているのは、「私にもできそうなこと」です。
企画書において、あなたの実績は「信頼の担保」として使いつつ、それ以上に「なぜ、あなたのメソッドは他の人でも成果が出るのか?」というロジック(再現性)を丁寧に説明する必要があります。
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なぜ、このステップで進めるのか?
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過去に指導した教え子たちは、どんな結果を出したか?
「凄い人の話を聞けて良かった」で終わる本ではなく、「これなら今日からできそうだ!」と読者の背中を押す構成になっているか。そこがオファーの分かれ道になります。
まとめ:編集者は「あなたのファン」ではなく「読者の味方」である
出版社に企画書を送る際、意識してほしいことがあります。
それは、編集者は「あなたのファン」ではなく、「読者の代表者」であるということです。
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「書きたいこと」ではなく「読者が知りたいこと」を。
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「網羅」ではなく「特化(コンセプトの鋭さ)」を。
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「実績の誇示」ではなく「メソッドの再現性」を。
この3つの視点を変えるだけで、あなたの企画書は「個人的なメモ」から「ビジネス・実用書の法人向け提案書」へと進化します。
出版は、あなたの知恵やメソッドを必要としている誰かに届けるための「手段」です。
ぜひその先の読者の顔を思い浮かべながら、もう一度企画書を眺めてみてください。
きっと、これまで見えてこなかった「改善点」が見つかるはずです。
出版企画書の個別診断/出版相談について
ここまでお読みいただき、
「自分の企画書のどこが弱いのか知りたい」
「この企画が出版レベルに達しているのか確認したい」
そう感じた方は、一度個別で整理した方が早いかもしれません。
出版企画書は、書き方以前に「設計」と「視点」で結果が大きく変わります。
出版相談では、
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あなたの企画がなぜオファーされにくいのか
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どこを直せば編集者が判断できる状態になるのか
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商業出版として現実的なルートがあるかどうか
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