元KADOKAWAのビジネス実用書出版コンサルタント+編集者+プロデューサーの渡邉です。
本出したい!って起業家・経営者は非常に多いのですけど、
「商業本」「自費出版」「電子書籍(kindle出版)」の違い
をわかってない人もとても多いです。
なので簡単に解説します。
*商業出版*
・「紙の本」で「印刷製本」されている
・全国の書店で流通していて、本屋さんで購買できる
・Amazonや楽天ブックスなど「ネット書店」で本が買える。
・”電子版(Kindle版)”も一緒に出てて買えばダウンロードできる(紙の本の著作権二次利用を活用)
・ISBNコードというバーコードが裏表紙についている
・出版社の名前を冠して、発売されている
・編集者や校正者、本のデザイナーなど、著者以外の人の手が多く入って出来上がっている
・定価は1300円〜高価なものだと数万円くらい
・本のページ数も200〜300ページくらいで情報の「厚み」がある
・製作費や流通費は基本出版社もち
・印税を受け取れる
・在庫は出版社サイドで管理してくれる
・初版は3000〜8000部刷って世に出る
・売れて在庫無くなれば、出版社で増刷してもらいやすい
・一部の出版社や契約条件によっては「一定の書籍の冊数買い上げ」をお願いされることもある(そういうところは実は希少だが)
・ベストセラー、ロングセラー、ヒット作などが出やすい
・著者にとっても「権威性」「社会的信用力」などバリュー&ブランディングが上がりやすい
・自分の書きたい!作りたい!伝えたい!という本よりも「出版社が出したい」本が最優先。
*自費出版*
・紙の本もあるし、電子書籍やオンデマンド出版(小冊子出版)もある
・制作〜印刷&製本〜販売や広報&広告に至るまで、費用は自分持ち
・100万〜300万円前後の費用が必要になる
・原則は「流通しない」のが自費出版
・印税も無いのがキホン
・「流通しない」が原則なので、ISBNコードは自然についてこない(→超!面倒な手続きを自分でする必要がある)
・ただ!「流通機能」を持たせて発売をサポートする”出版サポート会社”なんかもある(例;文芸社)
・有名な商業出版会社でも自費出版サポートをしているところもある(幻冬舎とか?)
・編集者や校正、カバーや本文のデザイナーなどは、自分でやるか自分で見つけて依頼する必要がある
・在庫は自分で持つか、倉庫を自分で探す必要がある
・自分の作りたい!書きたい!本が自由に書ける&作れる
・初版数は自分で決められる
・自費出版から評判が上がって、商業出版化し、映画化やドラマ化などされて、世界的ベストセラーに至るケースも意外に多し!
*電子出版(kindle出版)*
・紙の本ではない
・Kindle出版や一部「オンデマンド出版」などはまさにこれ
・費用がかかることがある(自己負担)
・自分の作りたい!書きたい!本が自由に書ける&作れる
・全てWeb上で取引。普通の本屋で売ってない。注文もできない。購入者がいればダウンロードで読んでもらう
・200〜300ページもない商品が多い。20〜100ページ以内で情報が集約。作り手によっては薄っぺらい感じになりやすい
・プロの編集者、校正者などはつかない。電子書籍用のカバー画像は別途デザイナーに自分(あるいは業者を通して)依頼する必要がある
・電子出版業者がいろいろいて、ブログなどから勧誘メールが来たりする
・ビジネスの「フロント」商材になりやすいので、活用する人も多い
・気軽にかけて、気軽に販売することができる
・売れたら収益は自分のものになりやすい
ザッと書けばこんな感じでしょうか?
電子出版と商業本がごっちゃになる人が圧倒的ですね。
でも電子出版と商業出版は「そもそも業界が全然違う」ので一緒に捉えないほうがいいです。
そして「商業本を出したい!」と思うのであれば、電子版で購読せずに「紙の本を買って読む」習慣を身につけておいてください。
なぜか。
電子本を積極的に売るのではない!からです。
紙の本を売っていくのが、商業本の著者の仕事でもあるから。
「読者」=お客さんの気分もしっかり味わっておきましょう。
図書館で予約行列つくって、借りるの・・・もナシ!です。
自分で「購読する」クセつけておいてください。
そういう経験してないのに、本作って!本買って!本読んで!私のメッセージ聞いて!!なんて・・厄介なクレクレ星人でしかありません。
消費者心理を慮るのはいいが「消費者根性を持っててはダメ」です。
何か参考になれば幸いです。
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